インプラントと糖尿病について知っておきたいこと

兵庫県神戸市中央区の歯医者 シニア歯科オーラルケアクリニック新神戸

歯科医師 院長の小松原秀紀です。

 

インプラント治療は、歯を失った方にとっては非常に効果的な治療法です。しかし、糖尿病を抱えている方にとっては、注意が必要です。本記事では、インプラント治療と糖尿病の関係について詳しく解説し、糖尿病患者の方がインプラント治療を受ける際の注意点やメリット・デメリットについても説明いたします。

 

目次

  1. インプラントとは何か
  2. 糖尿病とインプラント治療の関係
  3. 糖尿病患者がインプラント治療を受ける際のリスクと対策
  4. 治療の進め方と費用
  5. 糖尿病患者が気をつけるべき口腔ケア
  6. まとめ

 

1. インプラントとは何か

 

インプラント治療とは、顎骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療方法です。歯が失われた部位に直接取り付けるため、見た目が自然で、噛む力も自分の歯とほぼ同等に発揮できます。失われた歯の部位や数に応じて、部分的な入れ歯やブリッジと異なり、周りの健康な歯を削る必要がないことが特徴です。食事や会話の際に違和感が少なく、長期間にわたり機能を維持できるのがメリットです。ただし、入れ歯やブリッジと比較して費用が高く、手術が必要であるため身体的な負担が伴います。

 

2. 糖尿病とインプラント治療の関係

 

糖尿病は、インプラント治療の成功率に影響を与えるため、考慮が必要です。糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、傷の治癒が遅れ、感染症への抵抗力が低下します。これにより、インプラント手術後の治癒過程が通常よりも長くかかることがあります。また、インプラントを支える骨の再生が十分に行われない可能性もあります。そのため、インプラントの定着がうまくいかないリスクが高くなり、定着後も持続的に注意が必要です。しかし、適切に糖尿病を管理している場合は、問題なくインプラント治療を行えることも多いです。

 

3. 糖尿病患者がインプラント治療を受ける際のリスクと対策

 

糖尿病患者がインプラント治療を受ける際の主なリスクは、感染症、治癒の遅れ、インプラントの早期脱落などです。これらのリスクを軽減するためには、治療前から血糖値の管理が重要です。血糖値を適切にコントロールすることで、治癒を促進し、インプラント周囲の組織が健康な状態を保つことが可能となります。また、手術前に口腔内の衛生状態を改善し、むし歯や歯周病を治療しておくことも重要です。インプラント治療を専門とする歯科医師と連携して、定期的な検査と相談を行うことが推奨されます。

 

4. 治療の進め方と費用

 

インプラント治療は基本的に数段階に分けて行われます。まず、歯科医師が患者の状態を確認し、治療計画を立てます。その後、人工歯根を顎骨に埋入し、定着するまで数ヶ月待ちます。この期間中に仮歯を使用することもあります。インプラントがしっかりと定着したことを確認した後、人工歯を装着します。治療費用は1本あたり数十万円からと、高額になることが多いです。また、保険適用外のため、全額自己負担になる可能性があります。治療期間は通常3ヶ月から6ヶ月程度ですが、患者の状態によってはさらに長引くこともあります。

 

5. 糖尿病患者が気をつけるべき口腔ケア

 

糖尿病患者は、血糖管理だけでなく口腔内の健康管理も非常に重要です。インプラント治療後は特に、口腔内の衛生を高めることが求められます。毎日のブラッシングに加えて、フロスや歯間ブラシを使用し、食物残渣をしっかりと除去することが大切です。さらに、定期的に歯科医院でのクリーニングを受け、プロフェッショナルな口腔ケアを行うことが推奨されます。また、インプラントの周囲の異常を早期に発見するために、異常を感じた場合はすぐに歯科医師に相談することが重要です。

 

まとめ

 

糖尿病を抱えていても、適切な管理と歯科医師との相談を通じてインプラント治療を成功させることは可能です。ただし、糖尿病がしっかりと管理されておらず、感染症のリスクが高い場合は、治療自体が難しくなることもあります。インプラント治療を考えている糖尿病患者さんは、まずは血糖値をしっかりと管理し、専門の歯科医師に相談することをお勧めします。当院では無料相談を実施しておりますので、是非ご活用ください。