総入れ歯が合わない?神戸市の歯医者が教える原因と対処法|痛みや外れる悩みを解決

こんにちは。兵庫県神戸市中央区の歯医者、シニア歯科オーラルケアクリニック新神戸 歯科医師 院長の小松原秀紀です。

神戸市にお住まいのシニア世代の方々から、日々多くのご相談をいただきますが、その中でも特に深刻なのが「総入れ歯(総義歯)」に関するお悩みです。

「作ったばかりなのに痛くて噛めない」 「あくびや会話をしただけで外れてしまう」 「食事の味が分からなくなり、食欲が落ちてしまった」

このような不具合を抱えながら、「入れ歯なんてこんなものだろう」「歳だから仕方がない」と諦めて我慢されている方が驚くほど多くいらっしゃいます。しかし、合わない入れ歯を無理に使い続けることは、単なるストレスだけでなく、歯ぐきを傷つけ、顎の骨をさらに減らしてしまう原因にもなります。何より、食事が楽しめなくなることは、全身の健康や気力を奪うフレイル(虚弱)の入り口となりかねません。

総入れ歯が合わないのには、必ず理由があります。そして、その原因に合わせた適切な対処を行えば、噛み心地は劇的に改善できる可能性があります。今回は、総入れ歯が合わなくなる原因と、当院で行っている解決策について解説します。

目次

  1. なぜ「合わない」と感じるのか?主な症状とサイン

  2. 原因は入れ歯?それともお口?時間が経つと合わなくなる理由

  3. 我慢は禁物!調整・新製・インプラントという3つの解決策

  4. シニア歯科だからできる、食機能まで考えた入れ歯治療

  5. まとめ

1. なぜ「合わない」と感じるのか?主な症状とサイン

まずは、どのような状態が「合っていない」のかを整理しましょう。患者様が訴えられる症状は、主に以下の3つに分類されます。

痛い 噛んだ時に歯ぐきに食い込んで痛い、または何もしていなくても当たって痛い状態です。これは入れ歯の内面と歯ぐきの形状が合っていないか、噛み合わせのバランスが崩れて特定の部分に過度な力がかかっているサインです。

外れる・浮く 口を開けた時や話している時にカポッと落ちてくる、あるいは食事中に浮き上がってしまう状態です。総入れ歯は吸盤のように歯ぐきに吸着して維持されていますが、その封鎖性が失われている証拠です。

噛めない 力が入らない、あるいは噛もうとすると入れ歯がシーソーのように動いてしまう状態です。噛み合わせの位置(高さや前後左右のバランス)がずれている可能性が高いです。

2. 原因は入れ歯?それともお口?時間が経つと合わなくなる理由

作った当時はぴったりだった入れ歯が、なぜ数年経つと合わなくなるのでしょうか。これには大きく分けて2つの原因があります。

お口の中の変化(顎の骨の吸収) これが最も大きな原因です。歯を失うと、それを支えていた顎の骨(歯槽骨)は役割を終えたと判断され、生理的に少しずつ吸収されて痩せていきます。特に入れ歯が合っていない状態で使い続けると、その圧力で骨の吸収が加速します。 骨が痩せると歯ぐきの形が変わります。しかし、プラスチックの入れ歯は形が変わらないため、歯ぐきとの間に「隙間」ができてしまい、ガタつきや外れる原因となります。

入れ歯自体の摩耗と劣化 入れ歯の人工歯も、毎日の食事や歯磨きによって少しずつすり減ります。奥歯がすり減ると噛み合わせの高さが低くなり、顎の位置がずれてしまいます。また、入れ歯のピンク色の土台(レジン)も経年劣化で変形したり、ヒビが入ったりすることがあります。

この他にも、唾液の減少(ドライマウス)によって、入れ歯を吸着させるための潤滑油が不足し、外れやすくなることもあります。

3. 我慢は禁物!調整・新製・インプラントという3つの解決策

合わない入れ歯を市販の安定剤だけでごまかし続けるのはおすすめできません。歯科医院では、原因に応じて主に3つのアプローチで解決を図ります。

今の入れ歯を修理・調整する(リライン) 入れ歯自体はまだ使えるけれど、歯ぐきとの間に隙間ができている場合に行います。入れ歯の内面に新しい樹脂を一層盛り足して、現在の歯ぐきの形にぴったり合うように修正する方法です(リライン)。これにより吸着力が回復します。

新しい入れ歯を作り直す 噛み合わせが大きくずれている場合や、骨の吸収が激しく今の入れ歯では対応できない場合は、新しく作り直すことをお勧めします。 保険の入れ歯だけでなく、薄くて熱が伝わりやすい金属床義歯や、クッション性のあるシリコン義歯など、自費診療の素材を選ぶことで、快適性を高めることも可能です。

インプラントで固定する(インプラントオーバーデンチャー) 「何度作り直しても外れる」「骨が痩せすぎて安定しない」という方への切り札となる治療法です。 顎の骨に2〜4本程度の少ないインプラントを埋め込み、それをボタンのような留め具にして、総入れ歯をカチッと固定する方法です。ご自身で取り外しができ、掃除もしやすい上に、インプラントが支えになるため、驚くほどガッチリと噛めるようになります。総入れ歯の不安定さと、インプラントの手術の負担、双方のデメリットを補う画期的な方法です。

4. シニア歯科だからできる、食機能まで考えた入れ歯治療

シニア歯科オーラルケアクリニック新神戸では、単に入れ歯を作るだけでなく、その入れ歯を使って「しっかり栄養が摂れるか」を重要視しています。

合わない入れ歯は、肉や野菜などの繊維質な食べ物を避けるようになり、炭水化物中心の柔らかい食事に偏りがちです。これは低栄養や筋力低下を招きます。 当院では、お口の型取りをする際に、舌の動きや飲み込みの機能、お顔の筋肉の張りなども考慮し、リハビリテーションの視点を取り入れた入れ歯作りを行っています。

また、先ほどご紹介したインプラントオーバーデンチャーのように、外科処置を伴う治療であっても、当院にはインプラントの専門知識がありますので、安心してお任せいただけます。

まとめ

総入れ歯の不具合とその対処法について解説しました。

  1. 入れ歯が合わなくなる主な原因は、加齢に伴う顎の骨の吸収(痩せ)である。

  2. 合わない入れ歯の我慢は、骨の吸収を早め、全身の健康を損なうリスクがある。

  3. 修理(リライン)で直ることもあれば、作り直しが必要なこともある。

  4. どうしても安定しない場合は、インプラントで入れ歯を固定する「インプラントオーバーデンチャー」が非常に有効。

「もう一度、たくあんをバリバリ食べたい」「孫と気兼ねなく旅行に行きたい」。その願いを叶えるために、入れ歯の調整や作り直しは決して遅すぎることはありません。

神戸市で総入れ歯の不調にお悩みの方は、ぜひ一度、シニア歯科オーラルケアクリニック新神戸にご相談ください。あなたの顎の状態に最適な解決策を一緒に探していきましょう。