インプラント治療におけるサイナスリフトとは？

兵庫県神戸市中央区の歯医者シニア歯科オーラルケアクリニック新神戸

歯科医師　院長の小松原秀紀です。

インプラント治療を考えている方の中には、「サイナスリフト」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。今回は、サイナスリフトについて詳しく解説いたします。このブログを通じて、インプラント治療を考える皆さんがより理解を深め、安心して治療に臨めるようサポートします。

1. サイナスリフトとは？

サイナスリフトは、上顎（上あご）の骨の不足を補うための外科手術です。一般的に、インプラント治療を行うためには、十分な高さと厚さの骨が必要ですが、上顎の後部には「上顎洞」と呼ばれる空洞があり、これがインプラントの設置を難しくすることがあります。サイナスリフトは、この空洞をリフト（挙上）して骨を増補し、インプラントを安全に設置できるようにする方法です。

骨の不足は自然な老化や歯の喪失、歯周病などが原因で起こることが多いです。この手術を行うことで、上顎洞の高さを増やし、インプラントの安定性を確保します。

2. サイナスリフトが必要な理由

サイナスリフトが必要となる大きな理由は、上顎の骨がインプラントを支えるのに十分でない場合です。以下のようなケースで特に重要となります。

骨密度の低下: 歯を失った後、骨は使われないために時間とともに減少します。また、加齢や歯周病も原因となります。
上顎洞の大きさ: 自然に上顎洞が大きい場合、インプラントを設置するための十分な骨がないことがあります。
インプラントの安定性: 骨が不足している場合、インプラントが安定しないため、将来的なインプラントの脱落リスクが高まります。

これらの問題を解決するために、サイナスリフトが役立ちます。

3. 実際の治療の流れ

サイナスリフトの治療の流れは以下の通りです。

初診・検査: 患者様の口内を診査・診断し、レントゲンやCTスキャンなどで詳細に検査します。
手術準備: 手術前には十分な説明をいたします。手術に備えるために、数日の準備が必要です。
手術: 麻酔を使用し、歯茎を切開して上顎洞の膜を持ち上げ、空洞部分に骨移植材料を充填します。この時、自己骨もしくは人工骨を使用します。
回復: 手術後数日間は腫れや痛みが伴うことがあり、鎮痛剤や抗生物質が処方いたします。術後のケアが重要です。
インプラントの設置: 骨が定着するのを待つため、通常3〜6ヶ月間が必要です。骨の状態を確認した後、インプラントを設置します。

4. サイナスリフトのメリットとデメリット

メリット

インプラントの安定性確保: インプラントを確実に支えるための十分な骨量が得られます。
長期間の成功率向上: 骨が十分に定着することで、インプラントの長期間の成功率が上がります。
見た目の改善: 骨が不足している場合、顔の形にも影響を与えることがあります。サイナスリフトにより、自然な顔立ちを保てる場合があります。

デメリット

手術のリスク: すべての外科手術と同様に感染や出血、腫れなどのリスクがあります。
費用: 通常のインプラント治療に比べて費用がかかることがあります。
治療期間: 骨が定着するまでの時間がかかるため、全体的な治療期間が長引くことがあります。

5. 治療期間とコスト

サイナスリフトの治療期間は、通常インプラントの治療期間よりも長くなります。骨が定着するまでに3〜6ヶ月を要するため、その後にインプラントを設置しますので、全体的には6ヶ月から1年程度が一般的です。

費用は、医院や地域によって異なりますが、サイナスリフトの手術費用は一般的に15〜30万円程度とされています。これに加えてインプラントの費用がかかるため、全体のコストは50〜100万円程度になることも考慮が必要です。

このように、治療に必要な時間と費用はケースバイケースで異なるため、初診時にしっかりと説明を受けることが大切です。

まとめ

サイナスリフトは、インプラント治療を考える方にとって非常に重要な手術です。骨が不足している場合でも、サイナスリフトを行うことでインプラントを安全かつ安定して設置することが可能になります。治療のメリットとデメリットを理解し、治療期間やコストについても十分に考慮した上で、最適な治療を選択してください。

当院では、インプラントやサイナスリフトについての詳しい説明を行い、安心して治療を受けられるようサポートいたします。お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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