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News!! 歯の喪失と認知症の因果関係について

2023/03/09

歯科の新常識 
近年多くの研究で口腔健康の維持が全身健康にとって重要であることがあることがあきらかになっています。
4年間にわたる高齢者の健康追跡調査結果をもとに、歯の状態と認知症の因果関係について神奈川歯科大学 教授 山本龍生教授のグループが分析をしました。
対象は要介護でない65歳以上で、歯の数が「20歯以上」、「19歯以下」、「歯がほとんどなく入れ歯を使用」、「歯がほとんどなく入れ歯 未使用」の4つのグループです。
以下は歯の喪失と認知症の因果関係の研究結果についてです。
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「歯がほとんどなく入れ歯未使用」の高齢者がそれ以外の高齢者と比べ認知症になりやすいことが明らかになりました。
特に、最も認知症発症の割合が低かった「20歯以上」のグループと比較すると、約1.85倍もの差があったのです。
それまでの歯科現場では認知症高齢者の歯の数が少ないことはよく知られており原因は認知症になり歯の手入れが充分にできなくなるからと考えられていました。
しかし、この分析によって歯の数が少ないことが認知症誘発の原因となり得る可能性が明らかになりました。
歯がほとんどない人は大抵奥歯もありません。
奥歯を失うと噛み合わせが安定せず咀嚼力も衰える為、脳への刺激が減って脳細胞の減少につながります。
また、噛める食材も限られてしまうので認知症予防に効果的なビタミン類などの栄養素の摂取量も減少していきます。
歯の喪失原因で最も多いのは歯周病ですが歯茎が慢性的に炎症を起こした状態になると脳に悪影響を与える物質が分泌され認知症に繋がりやすくなることも考えられます。
こうした要因の他に口腔機能の低下で社会的交流頻度が減少することも分かっており、孤独が認知症につながるという研究結果も出ています。
 一方で、「歯がほとんどなく義歯使用」のグループは、「20歯以上」、「19歯以下」と比べて認知症リスクにほとんど差がありませんでした。
つまり、入れ歯の使用がリスクを約4割減らす可能性があるのです。
これは入れ歯を使うことでしっかりと咀嚼できるためと考えられます。
咀嚼することで脳の血流がよくなると脳細胞が活性化され、結果として認知症予防につながる訳です。
入れ歯の使用で認知症になるリスクは減少しますが自分の歯を残すことは非常に大切です。
「19歯以下」のグループは「20歯以上」と比べて約1.2倍、要介護状態になりやすいというデータが出ています。
入れ歯は自分の歯と比べて噛む能力が落ち、異物感もあります。
また、栄養の偏りによる虚弱など、様々な疾患リスクの上昇が考えられますから自分の歯が残っているに越したことはありません。
健康長寿のためには、まず自身の歯の喪失を防ぐことが何より重要なのです。